徳島県下での研究活動
ここでは、徳島県下を中心として行っている研究活動について紹介します。
全ての研究の共通点は、徳島県を起こすパワーがありそうな生きものを扱っていることです。


海の森づくり(現在進行中)
 県南では藻場ができない理由の一つに、藻食性であるウニや小型巻貝が藻を食べるためであると考えられています。そこで、港内で生物育生に利用されている場所で、ウニや小型巻貝を駆除してみて藻場ができるかどうか実験しています。これも野外での大掛かりな実験ですので、科学技術高校の生徒さんが主体となってがんばってくれています。



産官学・高大連携など、地域と連携しながら地域特産物を育てる(現在進行中)
 徳島県沿岸で海藻養殖に軸足を置いて、地元漁協・徳島県水産研究所・徳島科学技術高校と連携しながら試みています。みなさんのモチベーションを上げるコーディネートをすることが、研究室が担当してる部分です。
ワカメは徳島科学技術高校の生徒さんが主体。高校生が描いた萌えキャラが人気です。


●ヒジキは美波町東由岐漁協・西由岐漁協・木岐漁協のみなさんでつくる美波の海の恵み研究会が主体です。



LEDを利用した水産資源培養技術(現在進行中)
 LEDを使って水産資源を増やすための研究を行っています。



通し回遊性エビ、カニ類に配慮した川づくり(現在進行中)
 エビやカニは子どもたちにも優しく、川に魅力を持たせる生きものであり、地域おこしにも役立つ生きものです。日和佐川を舞台として、海と川を往来して繁殖するエビやカニを保全し増やすための川づくりについて研究を進めています。



徳島県に分布する陸生貝類(現在進行中)
 徳島に生息する希少陸生貝類について、研究室フェローの松田博士が中心となり,同じ学部学科の山城先生やハイアマチュアのみなさん、そして四国の右下生きもの研究会のみなさんと連携しながら調査を進めています。



漁業のゼロエミッション化を進めながら沿岸生物資源をふやす(完了した研究)
 漁業で使われた後に廃棄される漁網を使って、沿岸生物資源を増やすための実験をしました。野外での大掛かりな実験になるので、科学技術高校の生徒さんにお手伝いいただき,中島漁協さんにご協力いただいて実行しました。メバルやナマコに効果的でした。論文とりまとめ中。


徳島県における淡水エビ、カニ類の分布と保全(完了した研究)
 徳島県内の河川100地点で採集と潜水観察を行い、淡水エビやカニの分布を調査しました。徳島県立博物館との共同研究です。詳細は徳島県立博物館研究報告に論文として掲載されており、採集した全標本は同博物館に収蔵されています。種類の見分け方、蒲生田岬によって生物の組成が二分されており、南部には海から遡上してくる種類が多いこと、これらの生物の保全増殖のために留意することなどを、明らかにしました。



川のエビ、カニ類のための魚道開発(完了した研究)
 美波町内の小河川でエビ、カニ類の遡上能力について実験し、結果は日本水産学会誌などで論文として掲載されました。この研究をもとにして、日本各地に多様な生物が遡上できる魚道が建設されています。河川環境管理財団や日本生命財団から研究を助成していただきました。



ヤマトヌマエビの生態学的研究(完了した研究)
 県内の河川で、夏の夜中に、水辺を歩きながら遡上するヤマトヌマエビやヒラテテナガエビの子どもを発見しました。研究を続けたところ、川の中でふ化した幼生が、海まで流れ下り、海で育って稚エビとなった後に、夜中に川の水辺を歩いて上流へさかのぼることがわかりました。ヤマトヌマエビを人工的に繁殖させることにも成功しました。研究成果はZoological Scienceなどに発表されています。「水辺の小わざ」という川づくりの理念はこの研究からスタートしました。